プロフィール
みなさん、初めまして。学校働き方改革アドバイザーの小太郎です。
民間企業から転職をして、今は公立高校の教員をしています。
教科はみんなが苦手な「公民」です。笑
ブラックと言われる「教員の仕事を魅力化し、教育の質を高める」ことをミッションに、授業準備や生徒対応の時間を増やすための仕事術を主に発信しています。
キャリア
- 教員経験10年
- 教科推進委員(教育委員会から指定を受けた授業改善・推進の専門家。時々、新聞などのメディアや県外の先生が授業の様子を取材に来ます)
- 学年主任(1回)
- 初任者研修講師
- 教員の仕事術・業務改善の専門家
- 誰でも月30hの自由を生むノウハウを発信
- 教育長賞受賞(2021)
のような仕事をメイン業務としています。
小太郎
自己紹介
学校働き方改革アドバイザー/小太郎
大学卒業後、大手旅行代理店へ入社。
募集型企画旅行(パッケージツアー)の企画と営業を主に担当する。
添乗中、将来に希望を持てない高校生と出会いにより、そのような高校生を支援したいとの思いから高校の教師を目指す。教員免許は本業を持ちながら通信制大学にて取得。
教育実習では、高校時代の黒歴史が仇となり、一度は母校に受け入れ拒否されるも、
粘り強い交渉により許可を得る。
教員となってからは、旅行代理店時代に培った仕事術で1年目から精力的に働き、
教育委員会から次年度採用者へメッセージを伝えるパネリストに選ばれる。
所属校では、県教育委員会の事業を研究するかたわら、
教育委員会指定の授業の専門家として授業研究に取り組む。
担任、部活、教育委員会の事業など、「仕事を断らない」スタンスの弊害から、月残業時間が 150 時間を超える労働がデフォルトであったため、第一子の誕生をきっかけに自身の働き方を見直す。
「教員と育児の両立は無理ゲー」との判断から、0か 100 かの選択において0を選択。
1年間の育児休業を経験する。
育休中は、「持続可能な教育のあり方」を念頭に、民間のフレームワークを教員用にカスタマイズしたメソッドを研究し、教員と家庭の両立の方法や定時退勤のためのテクニックなどを開発。
職場復帰後は、メソッドにより残業時間を大幅に削減して家庭中心の生活を送る中、
余暇時間を活用し、過労死ラインの労働に苦しむ 20 代の若手教員向けにも、業務改善や時短術、思考法など、生産性を高めるためのノウハウを発信している。
特に、教員の働き方改革については、
近年「教員のブラック化」が指摘される中で、教育業界からも需要が高まってきているように感じます。
この点、学校特有の事情を考慮しながら、民間企業が実施する「経営」のフレームワークを学校用にカスタマイズすることで業務を効率化し、授業準備や生徒対応の時間を確保するための提案をしています。
- 授業準備の時間がない
- 長時間労働を改善する方法が分からない
- もっと効率的な働き方を知りたい
- 仕事とプライベートを両立させる働き方を実現したい
- 正直、行政や学校の働き方改革に希望が持てない
- 働き方についての将来の不安を払拭したい
という先生はぜひ「問い合わせフォーム」よりお気軽にご連絡ください。
公務員ですからもちろん無料です。笑
小太郎
お問い合わせフォームへ
学校で働いてみて分かったこと
教員になって最初に感じたことは、「とにかく時間がない」ということでした。
業務が多くて「忙しい」というよりは、まるで嵐に遭ったかのように、不測の事態が次々に起こり、それに一つひとつ対処していたら「あっという間にもう19時!」という感じに近いかも知れません。
高校の教員は、学校の構造上、
- 担任になれば40人の生徒を受け持ちます。
- そして授業で担当するのがおおよそ200人。(40人×5クラスの場合)
- さらに部活、委員会などもあれば数十人の生徒がいます。
単純計算で、毎日300人ほどの生徒の窓口になるので、引っ切り無しに生徒が訪ねてきます。
やれ「プリントを忘れた」だの、やれ「彼女とうまくいかない」だの、
本当「ドリフか!」ぐらいの勢いで、次から次に生徒がやって来ます。
そんなこんなで、法定休憩時間とは名ばかりの昼食も満足にとれない生活のため、
中には最初から食事を諦めて、その時間を労働時間としてカウントしている教員もいます。
授業についても、1コマの授業をするのに2時間ぐらいは準備が必要ですが、そんな時間は取れないので、
授業準備は生徒が帰宅したあとの静かな学校か、自宅への持ち帰りが当たり前。
そして自宅への持ち帰りは、長時間労働の潜在化を招きます。
しかも、残業代、土日出勤手当、代休なし!超、ブラック。
(正確には、残業代は300円、土日出勤は2,800円程出ますが、馬鹿らしくて申請しない人も多いです)
小太郎
公務員が9時~5時なんていうのは都市伝説だと思います。
5時からようやく自分の仕事が始まります。
教員の忙しさの理由
教員の忙しさの原因って色々あるんですけど、「しくみの面」で代表的なものを挙げると、
- 人が足りない
例)民間企業のように成長を見越したリクルーティングができないため、慢性的に人手不足。さらに、少子化によって教育予算は縮小傾向のため、人、モノ、カネのリソースが足りない。結果として、教員が長時間労働のコストを支払うことで帳尻を合わせている。
- 雑務や会議が多い
例)教育委員会からの調査が頻繁に行われ(主に議会の答弁書作成や教育政策立案のため)、その回答の準備や資料作りに数日を要する。会議については、教員は所属する母体が多い(教科・学年・分掌・部活・委員会など)ため、自ずと会議も多くなる。
- 部活の歯止めがきかない
例)生徒のやる気を見守るのが教師の本分。とことん付き合うことが求められ、際限のないループが始まる。
などがあります。
ただ、すべてがしくみの問題というわけではなく、教員の働き方やマインドにも問題があると思います。
例えば、
- みんなでやろう(非効率かつ過度な平等意識)
- あれもこれも全部大切(一度始めたものはやめられない)
- 時間をかければいいものができる(コスト意識のなさ)
という学校特有の文化やマインドは、学校業務を際限なく増幅させてしまうので、「生産性」や「持続可能性」の観点から見直してゆく必要があると思います。
学校にこそ生産性の概念が必要
例えば、僕の学校では、教員の業務が肥大化しすぎて、生徒の課題解決をフォローできないという問題がありました。学校として本末転倒の事態です。(多くの学校がこの状況に陥っていることも事実)
一方で、職員のマインドは、
- 時間をかければいいものができる(コスト意識のなさ)
- あれもこれも全部大切(一度始めたものはやめられない)
という考え方が常識になっています。
これでは忙しくて当然です。この考えは、時短と対極にある考え方だからです。私たちは、生徒を思うあまり、無意識のうちに、「自分で自分の首を絞めていた」のです。
確かに、時間をかけてディティールにこだわれば、見た目も美しい資料が作れるかも知れません。
しかし、仕事は他にも山ほどあります。だから仕事の本来の価値を測ろうと思うなら、「生産性」の概念を用いるべきなのです。
生産性は、
という式で表すことができます。
つまり、分母である時間(コスト)をかければかけるほど、生産性は低くなってしまうのです。
考えてみればこれは簡単な話で、例えば、研究授業の準備などで、使える時間の大部分を投入した時には、忙しさのあまり、分掌や学年、部活など、その他の業務まではなかなか手が回りません。
その結果、業務全体としては、仕事のやり方に課題が残った経験がある方も多いのではないでしょうか。
残念ながら、これでは生産性が高いとは言えません。
(研究授業の成果が抜群に高ければ話は別ですが)
全体の業務との兼ね合いの中で、
- 成果を最大化してゆく
- できる限りコストは小さくする
これが生産性を高める秘訣なのです。
生産性の向上の提案
こうした考えが管理職の目にとまり、校内研修において、
- 生産性向上のための考え方
- 時短や効率化のノウハウ
の提案を行う機会を得ました。
背景にあったのは、「教員の働き方改革」が社会問題化しているにもかかわらず、
教育委員会を含め、学校現場にそのノウハウがないことでした。
僕は、教員になってからというもの、
- 資料を全員に配る (一見、無関係な職員にもとりあえず配る)
- やたらと根回しが必要 (事前に相談していないと、「聞いていない」と反発する)
などのスピード感を阻害する要素に疑問を感じていたので、講師の依頼を快諾し、
生産性・効率性を高めるための考え方や、コストを増大させるしくみからの脱却を提案していきました。
しかし、まったくうまくいきませんでした。理由は、教育の特殊性というものを軽視していたからだと思います。
小太郎
「学校には、効率よりも大切なものがある。そしてその非効率性の中にこそ、生徒の成長がある」
という文化をまだ理解していなかったのだと思います。
例えば、先ほどの根回しの話では、
「職員全員が学校の運営者であり、当事者意識を持って仕事にあたるための文化」
と聞けば、なるほど、確かに理解できます。
ただ、一方で、学校の非効率性が、自らの首をしめていることも明らかでした。
全員が当事者意識を持つというのなら、職員会議で寝ている職員などいてはいけないはずです。
そこで僕は、
- 生徒対応の時間
- 授業準備の時間
を確保するために、手段として「今のしくみを改める」という改革の意図を明らかにし、
先生方の理解を求めました。
同時に、改革の方法もドラスティックに変えるのではなく、学校の特殊性を考慮しながら、「変えるべきは変える」という最適解を探る作業を行いました。
その結果、少しずつではありますが、若手の先生を中心に、「生産性向上のノウハウを教えて欲しい」という依頼が来るようになり、現在の僕は、校内の生産性向上アドバイザーとして、通常業務以外にもお仕事をさせて頂く立場となりました。
現在、所属校では多くの職員がコスト意識を持っており、仕事の仕方にポジティブな変化が起きています。
例えば、
- 会議に遅れる人がいなくなり、会議の時間も短縮される
- 作業効率が上がり、教材研究や生徒対応の時間が確保できる
- 生徒に本当に必要な行事や活動が精選される
などの変化です。
そして最近では、無駄の削減だけではなく、成果を高めるしくみを考える取り組みも始まりました。
教員の仕事を魅力化し、教育の質を高める
このブログでは、しくみを変えることによって働き方を変え、「教員の仕事を魅力化」する方法をまとめています。
私たち教職員が一体となり、働き方改革を進めてゆけば、生徒との時間を増やすことができ、ワークライフバランスの観点からも働きやすい職場になるはずです。
そうすれば、「教員のブラック化」によって凋落した教員採用試験の倍率も回復し、教育業界にも優秀な人材が集まるしくみが生まれます。
それって、回りまわって全部生徒のためになると思いませんか?
さあ、みなさんの学校にもあるボトルネック(問題の本質)を取り除き、
「教員の仕事を魅力化し、教育の質を高める」ための行動を共に起こしましょう。
しくみが変われば、未来が変わる。これからの「教育」の話をしょう。
ちょっとだけでも興味がわいた方はこちらもぜひ!